こんにちは。シオタニアキラ(@akiraaaaa_man)です。
コンサルの相談を受けていると、こういう場面によく出会います。
「反応がすごくよかったので、ここにもっと力を入れたいんです」みたいな会話に。
手応えがあったこと自体は、間違いなくいいことです。ただ、その手応えだけで、次の時間と労力の使い方を決めていいのかというと、話は少し別なんですよね。
結論から言うと、「ここはいけそう」と感じても、その手応えだけでは決めません。もう少し確かめてから、どこに力を入れるかを決めます。
今日はこの話を、実際にあった相談を交えて書いていきます。
反応が良かった場所へ、もっと力を入れていいのか
先日、よくイベントに出店されるクライアントから見出しに書いたような相談を受けました。
「とある地域で出店をしたところ、反応がすごくよかった」とのことで。
道行く人の足が止まる、声をかけられる。そういう手応えがあったそうです。
それで、このクライアントはこう話し続けてくれました。
「この地域では、このサービス自体がまだ珍しいんじゃないか」
「だから、今後もこの地域へ出店を続けたい、もっと力を入れたい」
という相談でした。そのとき確認したかったのは、そのサービスがこの地域では珍しいのかどうかです。
僕がその場で思ったのは、その感覚を否定することじゃありません。ただ、これはまだ本人の感覚の中にある話で。
これから決めようとしているのは、自分の感覚が正しいかどうかではありません。限られた時間と労力を、この先どこへ使うか、という話です。
手応えは、結論ではなく仮説の入口
現場で感じる手応えは、大事な情報です。
反応が良かった
足を止めてもらえた
声をかけられた
これらは全部、実際に起きたことですし、僕は、この手応え自体を否定するつもりはありません。
ただ、ここで一つ、分けて考えたいことがあって。
「反応があった」という観察と、「この地域には市場がある」という結論は、別物だということです。
クライアントは、通行人の反応から「珍しいんじゃないか」と感じていました。
この解釈自体が、間違っているとは限りません。でも、まだ本人の感覚の中に留まっている段階です。
手応えは、そこで判断を終わらせるための材料ではなく、次に何を確かめればいいかを見つけるための入口として使うものだと、僕は思うんです。
最初に「何を決めようとしているのか」を確認する
こういう相談を受けたとき、僕がまずやるのは「じゃあ、顧客リサーチをしましょうか」と提案することではありません。
先に確認したいのは、「今、何を決めようとしているのか」です。
この相談で言えば、決めようとしていたのは「この地域へ、今後もっと出店の力を入れるかどうか」でした。
顧客に何を聞くか、ではなく、まずここを言葉にすることが先です。
決めたいことがはっきりすると、次に何がわかればその判断が変わるのかも、考えやすくなります。
この順番が逆になると、聞くこと自体が目的になってしまって、何のために聞いているのか、途中で見えなくなることがあるんですよね。
じゃあ、何を確かめればいいのか
この相談の中で、僕がもう少し確かめたかったことがあります。
「この地域では、同じようなサービスの出店が本当に珍しいのか?」
ということです。
- 今、何を決めようとしているのか
- その判断を変えるかもしれない情報は何か
- その情報を、誰に、どの方法で確認できるのか
今回の相談に当てはめると、決めようとしていたのは出店の力の入れどころ。
その前に確かめておきたいのは、同じようなサービスがその地域にどれくらいあるのか。
確認できる相手は、顧客や他の出店者。
そう並べていくと、次にやることが自然と見えてきます。
顧客や現場の声は「判断材料の一つ」
聞くと決めたとして、まだ次に気をつけたいことがあって。
それは、聞いて返ってきた答えを、そのまま市場全体の事実にしてしまわないことです。
普段の挨拶や、接客の会話の中で
「○○の出店って、珍しいんですか?」
「この辺りでやっている人っていますか?」
と聞いてみる。
それくらいの、自然な聞き方でいいと僕は伝えました。上から決めつけて聞くよりも、教えてもらうという姿勢のほうがいい、とも話しました。
ただ、一人に聞いて返ってきた答えは、あくまでその人が見聞きした範囲の話です。
誰に聞くか、いつ聞くか、どう聞くかによって、返ってくる答えは変わります。
だから、その声は「判断材料の一つ」として扱うもので、「これが市場の事実だ」と決めつけるものではないんですよね。
聞くことが最適とは限らない
ただ、何でも聞けばいいとは思っていません。
- 小さく試せるなら、聞くより試したほうが早いこともある
- 逆に大きなお金や長い契約が絡むなら、何人かの声だけでは決められない
- 顧客との接点が少なかったり、聞くこと自体が相手の体験を邪魔してしまったりする場面もありうる
大事なのは「聞くこと」そのものではなく、今からする判断に必要な情報をどう確かめるかなんですよね。
情報を集め続けず、次の小さな判断へ戻す
このクライアントの相談では、確認して確信が持てたら、その地域での出店へさらに力を入れていく、という順番になっていました。
ここで大事なのは、情報を集めること自体を目的にしないことです。
確認できた範囲の情報で、最初の仮説をそのまま維持するのか、少し弱めるのか、いったん保留にするのか。それを考えて、次の小さな判断に戻していく。
全部がわかってから動く、というのはそもそも無理な話です。
なので、わかった範囲で、次の一歩を決めていくしかないんです。
まとめ:「ここはいけそう」の次にやること
「ここはいけそう」という手応えは、捨てるものでも、そのまま信じ切るものでもありません。
まず、今、何を決めようとしているのかをはっきりさせる。
次に、その判断を変えるかもしれない情報は何かを考える。
そのうえで、聞く、小さく試す、数字を見る、といった手段の中から、その判断に合うものを選ぶ。
情報が集まったら、そこで確認作業を終わらせて、次の小さな判断へ進む。
出店の話に限りません。新しい商品、新しいやり方、新しい売り場。「ここはいけそう」と感じて、もっと力を入れたくなったときにも、同じ順番で考えられます。
限られた時間と労力をどこへ使うか。その答えは、手応えの強さではなく、この順番の中から見えてきます。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
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