マーケティング

同じ未来へ向かう人と出会うために、経営者がSNSで発信する意味

「経営者がSNSで発信する意味って、結局何なんだろう?」そう思って検索してきた人に、まず結論から言います。

経営者がSNSで発信する意味は、商品やサービスを宣伝することだけではありません。

向かう未来のベクトルが同じ人と出会い、すでに働いている人とも目線を合わせるための入り口をつくることです。

こんにちは。シオタニアキラ(@akiraaaaa_man)です。

僕は京都でエステサロン経営を裏で支えつつ、SNSやマーケティングの相談に乗る仕事をしながら、オンラインサロンも運営しています。

以前、マーケティングの本質は「相互理解」という記事で、マーケティングは相手を動かす技術ではなく、相手を理解し、自分のことも理解してもらう行為だと書いたんですが。

今回は、この考え方を経営者のSNS発信という文脈まで広げて話していきますね。

先に断っておくと、「SNSをやれば売上が上がり、採用もうまくいく」という話ではありません。ただ僕は、経営者や事業主の発信には、同じ未来を見ている人と出会う力があると考えています。

経営者がSNSで発信する意味は、宣伝だけではない

経営者のSNSというと、多くの人は会社のキャンペーンや採用情報の告知をイメージすると思います。

もちろん、それも役割の1つではあります。

でも、僕がここで話したいのは、もう少し手前にあるもので。

顧客にとっても、これから働くかもしれない人にとっても、すでに働いているスタッフにとっても、経営者の発信は、「この人が、何を大事にして、どこへ向かおうとしているのか」を知る手がかりになります。

これは集客の話でもあり、採用の話でもあり、社内の話でもあるんですが、実は根っこは同じなんですよね。

顧客にも従業員にも、条件だけでは選ばれ続けない

商品やサービスを、価格や機能だけで選ぶ。
仕事を、給与や待遇、仕事内容だけで選ぶ。

どちらも、最初のうちは満足すると思います。

でも、条件だけで選んでも、人間関係や価値観のズレが、あとからボディブローのように効いてくることがあります。

人を雇う経営者にこそ考えてほしいテーマなんですが、この記事を書く前にThreadsでこんな投稿をしました。

人を雇う経営者にこそ考えてほしいんですが、仕事を給与や待遇、仕事内容で選ぶ人は多いと思うんです。

最初はそれでも満足するでしょう。
前職より給料が増えたとか、これまでの経験も活かせそうとかね。

でも、人間関係ってあとからボディブローのように効いてくるでしょ。

誰と働くのか。
その人たちは、どこへ向かっているのか。
自分も、その未来へ進みたいと思えるのか。

仕事内容や条件が合っていても、進みたい方向が違えば、いずれ苦しくなる。
求人票には条件は書かれていても、その会社や働く人たちがどこへ向かっているかまでは書かれていません。

引用元:https://www.threads.com/share/FqUx5ja7J/
(上記はThreadsのスレッドを一部抜粋・編集したものです。全文では、経営者のSNS発信が集客や採用、既存スタッフへどう届くかまで掘り下げています)

働き方をどう選ぶかについては、自分に合った働き方とは、メリットだけで選ぶものじゃないという記事でも書きましたが、今回は、それを雇う側の視点から見ています。

条件が合っていても、向かう方向が違えば、やがて不満や愚痴も出てきたり、働く意欲も下がってしまったりして、苦しくなりがちですよね。

これは、雇う・雇われるの関係だけでなく、売る・買うの関係でも同じです。価格や機能だけで選ばれていると、もっと安い商品や便利なサービスが現れたとき、再び比較されやすくなるじゃないですか。

関係を深めるのは「未来のベクトル」

じゃあ、何が関係を長続きさせるのか。

最近、僕がよく考えているのが「未来のベクトルが一致しているかどうか」ということです。

生まれや育ちが近いから仲良くなる関係もあると思います。でも、それだけが深い関係の条件ではありません。

最初はちょっと苦手やなと思っていた相手でも、向かう先が似ていれば、話すほど関係は深まっていく。

これも、ブログを書く前にThreadsに書いた話で。

深く濃い人間関係って生まれや育ちの境遇が似てるからっていうよりも、向かう未来のベクトルが一致してるほうが作りやすいんじゃないかなって最近思う。

最初から「好き」で繋がるとも限らないし、なんか違和感があるとか、ちょっといけすかないヤツ、くらいの印象でも、向かう先が似ていれば、話すほど関係は深まっていく。

そう考えると、僕のビジネス活動は、同じ未来へ向かう人と出会うための入り口みたいな役目も果たしてるんやろな。

引用元:https://www.threads.com/share/Blq5fFY9b4/

この投稿で書いたとおり、僕にとってビジネス活動そのものが、同じ未来へ向かう人と出会うための入り口です。

経営者のSNS発信も、同じ役目を果たせるはずだと僕は思っているんですよ。

SNS集客は、誰かにとっての「あの人」になること

SNS集客というと、フォロワーを増やす、見込み客のリストを増やす、というイメージを持たれがちです。

でも、僕がSNSで目指しているのは、それとは少し違います。

SNS集客って、見知らぬ1000人に売ることじゃないんです。

知らない人と出会って、何度か話して、考え方を知ってもらって、困ったときに「あの人に聞いてみよう」になること。

僕がSNSで目指してるのは、フォローするだけの人を集めることではないし、見込み客のリストという言葉もちょっと違うんです。

誰かにとっての「あの人」になることなんです。

引用元:https://www.threads.com/share/HobF6PYoC/

フォロワーを増やす理由についても、なぜ僕はフォロワーを増やすのかという記事で、数字が欲しいわけではなく、自分を必要としてくれる人と出会える確率を上げるためだと書きましたが、今回の話も、根っこは同じで。

これは経営者にとっても、他人事ではありません。

うちが経営しているエステサロンでは、もともとお客さんとして通ってくれていた方を、こちらからスタッフに誘うことも何度かありました。

先にお客さんとしてサロンの雰囲気やスタッフの接客、お客さんへの向き合い方を知ってもらったうえで、働き始めてもらう。

結果として、求人票より先に、お互いの理解ができていたことになります。

もちろん、これはSNS発信によって起きたことではなく、対面での積み重ねです。

そして、対面で会う前から互いを知るきっかけを作れるのが、SNS発信なんですよ。

出会う前に、経営者の考え方や会社の姿勢を知ってもらえる。それだけでも、じゅうぶんに意味があると思うんですよね。

経営者は何を発信すればいいのか

けっきょくのところ「じゃあ経営者や事業主として、具体的に何を発信すればいいのか」と思った人もいると思います。

僕がこのテーマを考えるようになったのは、以前インスタのリールに取り組んでいたときの、コンサルタントとの会話がきっかけでした。

求人票に書かれていないことを発信する

求人票には、給与、勤務時間、仕事内容などは書けます。

でも、経営者が何を大切にしているのか、お客さんへどう向き合っているのか、スタッフをどう考えているのか、会社としてどこへ向かおうとしているのか。

ここまでは、求人票だけではじゅうぶんに伝わりません。

小さな会社が、経営者自身の仕事観や価値観、お客さんやスタッフに対する姿勢を発信すれば、価格だけで比較される集客競争からも、給与や待遇だけで比較される採用競争からも、少し抜け出せる材料になるんじゃないか?

そのコンサルタントとの会話で、そんな話をしました。

ただ、ここは正直に書いておきたいところですが、これで採用できるとか、ミスマッチがなくなるとは言い切れません。

言えるのは、求人票だけでは見えない判断材料を増やせるということ。そして、応募する前に、経営者の価値観や会社の姿勢を知ってもらえるというところまでです。

顔出しは効くが、本人の意思が前提

経営者の顔出しについても、よく聞かれます。

小さな会社ほど、経営者自身が顔を出したほうが、会社の向こう側にいる人間や考え方は伝わりやすい。これはいろんな事業主や経営者のアカウントを見てきて、実感として、そう思っています。

ただ、顔を出せばいいというものでもありません。本人が自分の言葉で、続けられることが前提です。

正直にいうと、うちの妻もサロンオーナーですが、経営者としての個人アカウントは運用していません。

今の個人アカウントは、ほとんどがプライベートの発信です。先日、僕が作ったサロン用の投稿を妻のアカウントにも共同投稿してもらおうとお願いしたら、「私のアカウントの方向性と違う」と却下されました。

(外堀を少しずつ埋めていってるんですが、SNSの発信には抵抗があってなかなか手強い…)

本音を言えば、妻にも経営者としての価値観や仕事観を発信してほしいと思っています。

ただ、本人にやらされている感覚しかなければ、長くは続きません。顔出しや経営者発信は有効だと思いますが、本人に発信する意思がなければ成立しないものでもあるんですよね。

発信は顧客・求職者・既存スタッフへそれぞれ届く

経営者の発信は、社外の見込み客だけに届くわけではなくて、すでに一緒に働いているスタッフにも、当然届いています。

(フォローはしていなくても見られているかもしれませんよ)

スタッフも見ている、という現実

僕のコンサル系アカウントに投稿しているリールを、サロンのスタッフが見ていることは、実際にあります。なので、経営や仕事、人との向き合い方について、現実と違う格好のいい話はできません。

見られていなくても気をつけるべきところですが。

これで「発信すればスタッフを育成できる」とまでは言えませんし、そこまでの効果は、正直、確認できていません。実際に確認できているのは、次のようなことです。

スタッフが実際に投稿を見ている。
経営者側も、見られているという意識を持つ。
発信と現実を一致させようとする力が働く。
嘘や格好だけの話が、しにくくなる。

発信が既存スタッフへ経営者の考えを伝える接点になり、経営者自身の言行一致を促す。今のところは、ここまでが正確な言い方ですね。

またそこから先の効果などがあれば追記したいと思います。

発信と会社の実態が違えば、むしろ逆効果になる

経営者や事業主が発信することの意味を話してきましたが、発信さえしていればいいわけではありません。

むしろ、発信と実態がズレているほうが、何もしないより厄介です。

  • 「挑戦を歓迎する」と発信しながら、社内の意思決定が遅く現場が疲弊している。
  • 「お客さんを大事にする」と発信しながら、実際の対応はそうなっていない。

こういうズレは、社員の小さな違和感から始まって、やがて不信に変わっていくので。

これは僕だけの感覚ではなく、企業向けのメディアでも、同じ趣旨の指摘がありました。

経営者の発信は、投稿の内容そのものより、外向きの発信と社内の実態のギャップこそがリスクになると、HUMAN CAPITAL+の記事でも整理されていました。

問題は、発信する言葉が大きいか小さいかではなく、どれだけ壮大な理念を掲げていても、日々の行動が伴っていなければ、同じようにズレるってことです。

抽象的な理念を掲げるだけでなく、日々の判断や行動に表れていることを、自分の言葉で発信するほうが、読んだ人にも会社の実態が伝わりやすいでしょう。

  • 何を大事にして経営しているのか。
  • お客さんやスタッフへどう向き合っているのか。
  • 会社としてどこへ向かおうとしているのか。

このあたりを、自分の言葉で書けているかどうかですね。

SNSは、目指す未来を社内外へ約束する場所

ここまでの話をまとめると、

経営者がSNSで発信する意味は、会社をよく見せることではなく、向かう先を隠さず見せることです。

それは、価格だけで比較される集客競争からも、待遇だけで比較される採用競争からも、少し抜け出す材料になります。

また、すでに働いているスタッフに対しては、経営者自身が言行一致を求められる場にもなるんです。

効果を約束するつもりはありません。それでも発信を続けることで、同じ未来へ向かう人と出会える可能性は広げられると思っています。

よくある質問

経営者がSNSで発信すれば、本当に採用に効果がありますか?

断定はできません。
求人票だけでは見えない判断材料を増やし、応募前に経営者の価値観や会社の姿勢を知ってもらうことはできます。

経営者は顔出しをしたほうがいいですか?

小さな会社ほど、経営者自身の顔や考え方が伝わりやすいという効果はあります。ただし、本人に発信する意思がなければ長続きせず、顔出し自体が万能策になるわけではありません。

具体的に何を発信すればいいですか?

求人票や商品ページには書ききれない、経営者が何を大切にしているか、お客さんやスタッフへどう向き合っているか、会社としてどこへ向かおうとしているかです。

発信の内容と実態が違うと、どうなりますか?

外向きの発信と社内の実態にズレがあると、社員が感じていた小さな違和感を、不信へ変えてしまうことがあります。

 

※顔出し発信の具体的なやり方や、理念を社内に浸透させる方法、採用の面接で価値観を確認する方法については、ここでは書ききれませんでした。これらも今後、テーマごとに掘り下げていきたいと思っています。

 

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

僕のLINEオープンチャットでは、このような問題提起をもとに、メンバー同士で意見を交わすこともありますし、そこで出た意見や新しい視点を踏まえて、僕自身の考えをブログにまとめることもあります。

賛成意見だけを求めているわけではありません。
反論から新しい視点が見つかることもありますし、それぞれが自分の意見を研ぎ澄ます場所になればと思っています。

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